この間シミックランプの構築の話になった時に《終末の祟りの先陣》をオシャレと言われたのが事の発端。
最後のMCで頭角を現したシミックランプが基本であり現状最も完成されたリストだと思っていた私にとっては、一瞬言葉の意味が分からない程の衝撃でした。
気になって調べたところ、《破滅の終焉》と《終末の祟りの先陣》パッケージを搭載したシミックランプはやはり多数派でしたが、なるほど確かに《深海住まいのタッサ》が複数枚搭載され上記2枚が投入されていないリストもみつかりました。
(BigMagicではタッサ型がシミックランプのテンプレートとして紹介されてましたた。 https://mtg.bigweb.co.jp/article/kiji/weeklyMTGarena/24 )
なので、今回はシミックランプにおける深海住まいのタッサについて自分なりに考えてみたいと思います。
Thassa, Deep-Dwelling / 深海住まいのタッサ (3)(青)
伝説のクリーチャー エンチャント — 神(God)
破壊不能
あなたの青への信心が5未満であるかぎり、深海住まいのタッサはクリーチャーではない。
あなたの終了ステップの開始時に、他の、あなたがコントロールしているクリーチャー最大1体を対象とし、それを追放する。その後、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
(3)(青):他のクリーチャー1体を対象とし、それをタップする。
6/5
○顕現できる現実性
タッサがクリーチャー化するには青の信心が5以上必要。今までのシミックランプではまず実現不可能な数値です。仮にタッサ、裏切りの工作員、ハイドロイド、タミヨウ、みたいな盤面だったらタッサが顕現しなくても勝ってます。
そのため、タッサが複数枚採用されるリストでは、《厚かましい借り手》や《風の騎兵》等青の信心を稼げるカードが採用されています。さらにマナブースト枠で《狼柳の安息所》ではなく《発言する浅瀬》が採用(よってエレメンタルである《枝葉族のドルイド》も採用)されています。
このようなリストの変化を私自身はシミックランプへのノイズの混入だと現状感じています。
上記のスロット確保の為にニッサ、ハイドロイドというランプ戦術における最強カードは数を減らされていますし、THBにおいてシミックランプを最も強化したといえるウーロの性能をマキシマイズできるタミヨウも不採用することにもつながっているので、タッサを顕現させる構築ではランプ戦術を最大効率化させることができなくなっています。
勿論、厚かましい借り手は速いデッキに干渉できる優秀なカードですし、風の騎兵は茨の騎兵と共に盤面を支えてくれる強烈なカードですが、タッサを顕現させることに執着するのは、シミックランプというデッキにおいては望ましい選択肢ではないと考えます。
○ブリンク能力
タッサが持つエンドにクリーチャーをブリンクする能力と相性がいいカードはそれなりに居ます。茨の騎兵や裏切りの工作員はその代表格ですし、発現する浅瀬もアドバンテージを稼いでくれます。
では、この能力のためにタッサは採用する価値があるのかと言われると、やりすぎだと思います。
ブリンク能力のために4マナのタッサをプレイする余裕はシミックランプにはあまりありません。茨の騎兵や浅瀬でマナブーストした後にタッサよりプレイする価値があるカードは既にシミックランプは持ち合わせています。
しかし、カードを見ればわかりますが、タッサの能力はブリンクだけではないので、ブリンク能力一つとってタッサは不要と結論づけるのはもう少し待ちましょう。
○タップ能力
私がタッサをシミックランプに採用する価値を見出しているのはこの能力です。
ランプに必要なのは、マナ加速カードと有り余るマナを使って絶大な効果を発揮するカードの2種類です。
タッサのタップ能力は有り余るマナの注ぎ口として他のカードと張り合えるポテンシャルを持っています。
シミックランプを使用していると意外と睨み合いの展開に遭遇します。ハイドロイド混成体は例外として、茨の騎兵はこと守りにおいてスタンダード屈指の性能を持ちますが、攻めるカードとしては横並びやチャンプブロックで簡単に無力化されてしまいますし、ニッサのエレメンタル土地もゲームを終わらせる火力は出しません。その為に硬直した盤面を打開するために《破滅の終焉》と《終末の祟りの先陣》が投入されるようになったのですが、タッサのタップ能力も相手の守りを突き破る性能を持っています。
そして、こと守りにおいては、《破滅の終焉》という選択肢では実現できなかった芸当も可能にします(相手の攻撃を止めつつこちらの攻撃を通せる)。
タッサのタップ能力はシミックランプが相手の守りを突破するのを助けられる性能があり、フィニッシュ手段として選択肢に入りうるものだと感じています。
ここまでの私の見解をまとめると、タッサを顕現させる構築はシミックランプのドブン確率を下げる可能性があり、能力については、ブリンクを必要な能力だとは思ってませんが、タップ能力はシミックランプがゲームを終わらせるのを手助けできる性能だと考えています。
これらをまとめて、現状のシミックランプにおけるタッサの立場は、1枚程度仕込まれる隠し味が現状もっとも向いていると考えています。
シミックランプがメタのトップにいない現状このデッキに求められているのは、トップメタに自身が喰えるデッキ達が上がってきたときに確実に喰らえる構築です(かつてジャンドサクリファイスとファイアーズに対して食らいついたように)。
タッサに寄せてしまうと、軽い盤面への干渉手段を得る代わりに、マナ加速からのフィニッシュへの繋ぎを弱くしてしまいます。なので、今のタッサはシミックランプの最強ムーブを邪魔しない程度にデッキに仕込まれるべきカードです。
ただし、シミックランプがメタの循環によって数を増やした場合は彼女にスポットライトが当たることになります。タッサを持たないランプと持っているランプが対面した場合、硬直した盤面において彼女は劇的な違いを生み出します。相手の攻撃を止めつつ一方的にこちらの攻撃を一方的に通す(しかもブリンクによって守備力も維持できる)彼女の能力は非常に強力です。
深海住まいのタッサはシミックランプに0~3枚ほど採用されるカードです。
タッサは採用枚数が増えるほどデッキの構造を変えさせるカードなので、どのタイプのシミックランプが最も環境に適しているのかを見極めて採用枚数を考えましょう(今はタッサに寄せないのが最良だと私は思ってます)。
強いカードなのは周知の事実なので、頑張ってウーロを買ったシミックランプ使いはもうひと頑張りしてタッサも買っちゃいましょう。
今回はシミックランプにおいてタッサが必要なカードなのかについて2月8日現在思っている事を書きなぐってみました。
今日の私が出した見解が環境末期になったときにどうなのか、かなり恐ろしいですが少し楽しみでもあります。
最後のMCで頭角を現したシミックランプが基本であり現状最も完成されたリストだと思っていた私にとっては、一瞬言葉の意味が分からない程の衝撃でした。
気になって調べたところ、《破滅の終焉》と《終末の祟りの先陣》パッケージを搭載したシミックランプはやはり多数派でしたが、なるほど確かに《深海住まいのタッサ》が複数枚搭載され上記2枚が投入されていないリストもみつかりました。
(BigMagicではタッサ型がシミックランプのテンプレートとして紹介されてましたた。 https://mtg.bigweb.co.jp/article/kiji/weeklyMTGarena/24 )
なので、今回はシミックランプにおける深海住まいのタッサについて自分なりに考えてみたいと思います。
Thassa, Deep-Dwelling / 深海住まいのタッサ (3)(青)
伝説のクリーチャー エンチャント — 神(God)
破壊不能
あなたの青への信心が5未満であるかぎり、深海住まいのタッサはクリーチャーではない。
あなたの終了ステップの開始時に、他の、あなたがコントロールしているクリーチャー最大1体を対象とし、それを追放する。その後、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
(3)(青):他のクリーチャー1体を対象とし、それをタップする。
6/5
○顕現できる現実性
タッサがクリーチャー化するには青の信心が5以上必要。今までのシミックランプではまず実現不可能な数値です。仮にタッサ、裏切りの工作員、ハイドロイド、タミヨウ、みたいな盤面だったらタッサが顕現しなくても勝ってます。
そのため、タッサが複数枚採用されるリストでは、《厚かましい借り手》や《風の騎兵》等青の信心を稼げるカードが採用されています。さらにマナブースト枠で《狼柳の安息所》ではなく《発言する浅瀬》が採用(よってエレメンタルである《枝葉族のドルイド》も採用)されています。
このようなリストの変化を私自身はシミックランプへのノイズの混入だと現状感じています。
上記のスロット確保の為にニッサ、ハイドロイドというランプ戦術における最強カードは数を減らされていますし、THBにおいてシミックランプを最も強化したといえるウーロの性能をマキシマイズできるタミヨウも不採用することにもつながっているので、タッサを顕現させる構築ではランプ戦術を最大効率化させることができなくなっています。
勿論、厚かましい借り手は速いデッキに干渉できる優秀なカードですし、風の騎兵は茨の騎兵と共に盤面を支えてくれる強烈なカードですが、タッサを顕現させることに執着するのは、シミックランプというデッキにおいては望ましい選択肢ではないと考えます。
○ブリンク能力
タッサが持つエンドにクリーチャーをブリンクする能力と相性がいいカードはそれなりに居ます。茨の騎兵や裏切りの工作員はその代表格ですし、発現する浅瀬もアドバンテージを稼いでくれます。
では、この能力のためにタッサは採用する価値があるのかと言われると、やりすぎだと思います。
ブリンク能力のために4マナのタッサをプレイする余裕はシミックランプにはあまりありません。茨の騎兵や浅瀬でマナブーストした後にタッサよりプレイする価値があるカードは既にシミックランプは持ち合わせています。
しかし、カードを見ればわかりますが、タッサの能力はブリンクだけではないので、ブリンク能力一つとってタッサは不要と結論づけるのはもう少し待ちましょう。
○タップ能力
私がタッサをシミックランプに採用する価値を見出しているのはこの能力です。
ランプに必要なのは、マナ加速カードと有り余るマナを使って絶大な効果を発揮するカードの2種類です。
タッサのタップ能力は有り余るマナの注ぎ口として他のカードと張り合えるポテンシャルを持っています。
シミックランプを使用していると意外と睨み合いの展開に遭遇します。ハイドロイド混成体は例外として、茨の騎兵はこと守りにおいてスタンダード屈指の性能を持ちますが、攻めるカードとしては横並びやチャンプブロックで簡単に無力化されてしまいますし、ニッサのエレメンタル土地もゲームを終わらせる火力は出しません。その為に硬直した盤面を打開するために《破滅の終焉》と《終末の祟りの先陣》が投入されるようになったのですが、タッサのタップ能力も相手の守りを突き破る性能を持っています。
そして、こと守りにおいては、《破滅の終焉》という選択肢では実現できなかった芸当も可能にします(相手の攻撃を止めつつこちらの攻撃を通せる)。
タッサのタップ能力はシミックランプが相手の守りを突破するのを助けられる性能があり、フィニッシュ手段として選択肢に入りうるものだと感じています。
ここまでの私の見解をまとめると、タッサを顕現させる構築はシミックランプのドブン確率を下げる可能性があり、能力については、ブリンクを必要な能力だとは思ってませんが、タップ能力はシミックランプがゲームを終わらせるのを手助けできる性能だと考えています。
これらをまとめて、現状のシミックランプにおけるタッサの立場は、1枚程度仕込まれる隠し味が現状もっとも向いていると考えています。
シミックランプがメタのトップにいない現状このデッキに求められているのは、トップメタに自身が喰えるデッキ達が上がってきたときに確実に喰らえる構築です(かつてジャンドサクリファイスとファイアーズに対して食らいついたように)。
タッサに寄せてしまうと、軽い盤面への干渉手段を得る代わりに、マナ加速からのフィニッシュへの繋ぎを弱くしてしまいます。なので、今のタッサはシミックランプの最強ムーブを邪魔しない程度にデッキに仕込まれるべきカードです。
ただし、シミックランプがメタの循環によって数を増やした場合は彼女にスポットライトが当たることになります。タッサを持たないランプと持っているランプが対面した場合、硬直した盤面において彼女は劇的な違いを生み出します。相手の攻撃を止めつつ一方的にこちらの攻撃を一方的に通す(しかもブリンクによって守備力も維持できる)彼女の能力は非常に強力です。
深海住まいのタッサはシミックランプに0~3枚ほど採用されるカードです。
タッサは採用枚数が増えるほどデッキの構造を変えさせるカードなので、どのタイプのシミックランプが最も環境に適しているのかを見極めて採用枚数を考えましょう(今はタッサに寄せないのが最良だと私は思ってます)。
強いカードなのは周知の事実なので、頑張ってウーロを買ったシミックランプ使いはもうひと頑張りしてタッサも買っちゃいましょう。
今回はシミックランプにおいてタッサが必要なカードなのかについて2月8日現在思っている事を書きなぐってみました。
今日の私が出した見解が環境末期になったときにどうなのか、かなり恐ろしいですが少し楽しみでもあります。
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